時のメロディー・花と犬とアートな日々

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詩 「高級おでん」

「お土産におでんをいただいたよ」

あなたから電話があった。

夕食の支度で頭がいっぱいだった私。

思わずでたのは「何個あるの?」

少し間があいて「○個だって」と笑いながら返ってきた。

電話を切った後で気がついた。

「もしかして、お土産をくれたその人がそばにいたのでは?」

車で駅まで迎えに行った帰り道、主人にたずねるとやはりそうだった。

なんで電話口ですぐに喜ばなかったんだろう!

個数を聞いただけなんて!

もし自分がその人だったら・・・

私は何度もそのことを繰り返し残念がった。

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家で紙袋を開けてみると大きな赤い缶が入っていた。

缶の中のおでんもまだ暖かかった。

さっそく、お皿に入れて夕食にだす。

一個しかないので半分づつにする?と聞くと

好きなのを好きなだけ食べたらいいとあなたは言った。

あなたは私の作った酢豚を美味しいと言いながら食べていた。

「もしかして昼にもおでんを食べたの?もしかしてこれ、私のために?」

と聞くとあなたはうなづいた。

私が「このおでん、美味しいね」と言うと嬉しそうな顔をした。

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その人の名前はよく聞いていた。

私は車の中で待っていたけれど病院にお見舞いに行ったこともあった。

今までも○○さんが買ってくれたよといろいろといただいていた。

ケーキだって男の俺に買ってくれるわけないじゃないかと言った。

気の回らない私は今まで全く気がつかなかった。

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何かお礼をしたいと言う言葉が自然とでてきた。

主人が既になにか仕事で返しているかもしれないという気持ちも入っていた。

すると思いもかけない言葉が返ってきた。

「描いた絵」が欲しいんだって。
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   ・

一瞬 間があいた。

「え?絵?」

私が絵を描いていることをその人が知っていた事

あなたが外で 私の事を話題にしていた事

意外でかつとても嬉しかった。

あと数年で定年になるそうなのであなたと仕事をした記念に欲しいのかしら?

それとも私が最近描く意欲がなくなっているから、何かきっかけにと?

それとも私の絵を何かで見て私の絵が真に好きで?

そのどれにしても・・・

その人もあなたが好きなのだと思った。

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Last Modified : 2019-08-08