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金子みすゞ展

昨日都内に出かける用があり、帰りに日本橋三越で開催している童謡詩人の
「金子みすゞ展」を見てきました。

テレビの特集や本で見たことはありますが、こうしてあらためてみると
また感動し新鮮にも感じました。

会場は平日の昼間だというのにかなりの人が見にきていました。
意外と「みすゞファン」が多いんだなあと知りました。

会場のメインは1つ1つの詩を大きなパネルにして、その詩に対する著名人の
想いを書いた言葉や作品を展示してありました。
片岡鶴太郎さんのお魚の絵もありました。
あと遺品や写真、関係したものの展示などがありました。

展覧会は狭い会場内に文字が多いので(詩以外で)、映像の著名人のインタビューは
実子の方だけにして、彼女の生い立ちなどの写真・ふるさとの山口県や金子みすゞ
美術館などをナレーションでもっと掘り起こしたものを見たかったです。

以前、TVでみすゞさんの特集や本を見たこともありますが、特集の仕方で受ける
印象も代わり、今回もまたとても新鮮に感じました。


下の詩は会場で印象に残り感動した詩のいくつかです。

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「積もった雪」

上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしてゐて。

下の雪
重かろな。
何百人ものせてゐて。

中の雪
さみしかろな。
空も地面(ヂベタ)もみえないで。




「不思議」

私は不思議でたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀にひかつていることが。

私は不思議でたまらない、
青い桑の葉たべている、
蚕が白くなることが。

私は不思議でたまらない、
たれもいじらぬ夕顔が、
ひとりでぱらりと開くのが。

私は不思議でたまらない、
誰にきいても笑つてて、
あたりまえだ、ということが。



「私と小鳥と鈴と」

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。


「露(ツユ)」

誰にもいはずにおきませう。

朝のお庭のすみっこで、
花がほろりと泣いたこと。

もしも噂がひろがつて
蜂のお耳へはいつたら、

わるいことでもしたやうに、
蜜をかへしに行くでせう。




「こだまでせうか」

「遊ぼう」つていふと
「遊ぼう」つていふ。

「馬鹿」つていふと
「馬鹿」つていふ。

「もう遊ばない」つていふと
「遊ばない」つていふ。

さうして、あとで
さみしくなつて、

「ごめんね」つていふと
「ごめんね」つていふ。

こだまでせうか、
いいえ、誰でも。
 


「失くなつたもの」

夏の渚でなくなつた、
おもちやの舟は、あの舟は、
おもちやの島へかへつたの。
  月のひかりのふるなかを、
  なんきん玉の渚まで。

いつか、ゆびきりしたけれど、
あれきり逢はぬ豊ちやんは、
そらのおくにへかへつたの。
  蓮華のはなのふるなかを、
  天童たちにまもられて。

そして、ゆふべの、トランプの、
おひげのこはい王さまは、
トランプのお國へかへつたの。
  ちらちら雪のふるなかを、
  おくにの兵士にまもられて。

失くなつたものはみんなみんな、
元のお家へかへるのよ。



「お魚」

海の魚はかはいさう。

お米は人につくられる、
牛は牧場でかわれてる、
鯉もお池で麩(フ)を貰(モラ)ふ。

けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし 
いたづら一つしないのに 
かうして私に食べられる。

ほんとに魚はかはいさう

・・・・・・・・・・・・・・・・・


どの詩も着眼点や感覚が普通の人と違うなあと思いました。
そしてどの詩も優しいんですね。


ただ、「お魚」には反論あります。
目の前の魚は今は運が悪くてかわいそうですがそれまでは自由ですよね?他の魚も。
牛の方がかわいそうです(笑)。
だってどの牛も最初から利用される目的があっての囚われの運命なのですから。

展覧会の土産売り場では絵入りのと迷ったのですが、「私と小鳥と鈴と」の直筆写真
のポストカードを1枚購入して帰りました。



*上記の詩は下記サイトから掲載させていただきました。
 金子みすゞ詩集
 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/5778/
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Last Modified : 2019-08-08